よく言われるエアコンのガス(冷媒)不足について
たまにお客様から、次のようなことを質問されることがあります。
「エアコンの冷えが悪いのは、年数が経ってガス(冷媒)が抜けて不足しちゃったからじゃないの?」
○冷媒について
エアコンが機能するうえで、冷媒ガスが絶えず室内機と室外機の間を循環ています(冷媒の役割は空気中にある熱を運ぶことです)。
その疑問に対する回答ですが、基本的にエアコンで使用されているガス(冷媒)は、補充する必要もありませんし入れ替える必要もありません。
何故なら…
・エアコンで使用されているガス(冷媒)は非常に安定した物質であるため、経年劣化することがないからです。
例えば冷蔵庫のシステムもエアコンと基本的に同じですが、「冷蔵庫の冷えがおかしいからガスを補充する」といった質問がまったくないのと同じです。
・エアコンで使用するガス(冷媒)は、長年利用しても減ることはないからです。
逆にガスを補充すると、「エアコンの冷えが悪い→必要以上にガスを補充→消費電力が増える→エアコンの故障に繋がる」可能性があります。
つまりガス(冷媒)によってエアコンの冷えがおかしくなるといった不具合は、基本的に起こらないということです。
そしてエアコンの冷えがおかしく感じる場合は、次のことを確認してください。
- 室内機のフィルター部分が、汚れで目詰まりをしていないか。
- 室内機のフィルターの奥にある熱交換器が、汚れていないか。
- ファン部分にホコリが溜まって、風量が落ちていないか。
- 室外機の前面周辺に、段ボールなどが置かれていないか。
- エアコン能力が合っていない部屋で使っていなか。
どちらにしても、上記に明記したことをチェックした上で問題がなければ、ガス(冷媒)を含むエアコン機器の不調を考えてみてはどうでしょう。
ちなみにガス不足の要因は、2つ考えられます。
・エアコン機器内部にある配管経路(冷凍サイクル)の亀裂、あるいは溶接個所のピンホールによるガス抜け。
・エアコンの据え付け作業ミスによるガス抜け。
(ちなみに購入した時点で、最初からエアコンにガスが一定量入っていなかった場合もあります(新品不良)。